整復・固定・後療(せいふく・こてい・こうりょう)
この言葉を見てハハーンと思う方はかなりの接骨院通です。これは私たち接骨院の仕事の3大柱です。たとえば、足をくじいた場合を例にとりご説明したいと思います。
初診時にはまず「予診票」を書いていただきます。ケガをなさった状況や現在の痛みの箇所・程度など、いくつかの項目をかいていただきます。これは診断のための基礎データとなります。
足の捻挫の場合、立って体重をかけた時に痛みがでる場合は、足の関節面にひずみがあると考えてよろしいと思います。ひずみのある状態でほおっておいても、1ヶ月ほどで治ります。、ひずみを残したままですと、歩くとすぐに痛くなったり、季節の変わり目で痛みが出たりします。つまりそこが弱点となるわけです。なるべく弱点は少ないほうがいいですね。
そこで第1の柱「整復(せいふく)」です。足の関節面のひずみをとるように関節面に適度な圧迫を加えつつ形を整えます。この動作により足の関節が本来の形になります。
この良い状態を維持するために「固定(こてい)」します。これが第2の柱です。現在はテーピングをよく使用します。これは固定力があるにも係らずかさばらないという利点があります。以前は厚紙副子を用いて包帯で固定をしていました。今でも使うことがありますが、これですとかさばって靴が履けなくなる不都合が生まれます.そして第3の柱が「後療(こうりょう)」です。
これは電気をかけたり、暖めたりして患部の血行をよくして回復を早める働きがあります。また固定していたために硬くなった患部を運動療法などにより動きを回復させる働きがあります。このように3本柱によって元の状態に戻れば治癒ということになります。
突き指など小さなケガから動けなくなるような重度の腰痛でもどんなケガでもこの過程を経て治療していきます。足の捻挫の場合、ケガをしたときまずは患部の足で片足立ちをして見ましょう。痛みを感じるようでしたら関節にひずみが出ている証拠です。速やかにご来院ください。このあたりがケガとうまく付き合うコツでしょうか。とはいえ、ケガを恐れて歩行をしないというのはだめです。歩行はぜひとも続けてくださいね。
*「ゆい」とは漢字で「結」と書き、人と人とを結びつけ助け合うという意味です。沖縄にも同意で「ゆいまーる」という言葉があります。
院長プロフィール 坂路孝夫 さかじたかお
東京都北区生まれ。山梨大学で精密工学を専攻し卒後、日本製鋼所にて8年半にわたり石油精製所の脱硫塔の設計をするという異色の経歴を持つ。坂路接骨院初代院長である父の影響を受け、柔道整復師・診療放射線技師の資格を取得。父の医療、患者様への熱意と技術を受け継ぎ、坂路接骨院院長となる。「一人一人のニーズに応じた医療を行いたい」という思いを胸に人々が健康で幸せに暮らせる医療を目指し日々邁進している。