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油の大切さ ②サラダ油の落とし穴 
今回はサラダ油について考えてみます。「サラダ油」というネーミングは誠に結構で、健康で体にいいというイメージに溢れています。しかし実はサラダ油にはたくさんの落とし穴が含まれています。
日常我々がよく使っている「サラダ油」は、実は日本独特のものです。他の国には「サラダ油」は存在しません。ですから農水省の規定があります。その規定によりますと、サラダ油は次の９種の原材料のいずれかを含んだものとされています。①菜種 ②大豆 ③トウモロコシ ④ひまわりの種 ⑤ごま ⑥紅花 ⑦綿実 ⑧米 ⑨ブドウの種の９種です。農水省のホームページを開きますとサラダ油の大量製造のための過程が詳しく載っています。実はこの製造過程に多くの落とし穴が含まれています。
まず、原料が精選され圧搾されます。油分の少ない原料である大豆や米は圧搾しても搾れないため、ヘキサンなどの石油系溶剤を使用し、溶剤に油分を溶かして取り、のちにその溶剤を蒸留で除去します。除去はしますが完全除去というわけにはいきません。この溶剤は人体にとって有害です。ここに初めの落とし穴があります。さらにこの溶剤除去の過程は高温処理のため、この処理中にトランス脂肪酸が発生します。トランス脂肪酸の問題点は以前にも紹介しました。ここにも落とし穴があります。搾り取られた油は日持ちがしないので酸化防止剤が添加されます。ここにも落とし穴があります。さらに色を取るためろ過機に通され、次に臭いを取るために高温・高真空状態で水蒸気を加え、その水蒸気で油の臭い分を除去します。この高温処理の過程で材料に含まれていたほとんどの栄養分が失われます。ここにも落とし穴が存在するわけです。これらのサラダ油は大量に安く作るために安く原料を仕入れなければなりません。原材料は大農場で、たくさんの農薬を使用した遺伝子組み換え作物が使用されるのは当然のこととなります。ここにもまたまた落とし穴が存在します。
こう見ていきますと健康の担い手と我々が信じていた「サラダ油」が、実は大変な落とし穴を含んだ油であることがわかります。１リットル、２リットルのペットボトルで売られている「サラダ油」の利用はしっかり考えるべきです。
では、家庭で揚げ物などに使っていた「サラダ油」の代わりに何を使った良いかということですが、できれば上記の落とし穴を回避した油を使いましょう。具体的には、遺伝子組み換え作物を使用していない原料で、高温処理してない「低温圧搾（コールドプレス）」のごま油など、原料が一つの油の使用がお勧めです。しかも一回で使い切るのが最善ですが、大家族の場合はむずかしいかもしれません。しかしながら酸化した油は、体内で活性酸素を作り、悪さをするので、気を付けましょう。
＊「ゆい」とは漢字で「結」と書き、人と人とを結びつけ助け合うという意味です。沖縄にも同意で「ゆいまーる」という言葉があります。この通信が一人一人を結びつけ、健康な毎日を送っていただく手助けになればと思い名付けました。
院長プロフィール 坂路孝夫 さかじたかお
東京都北区生まれ。山梨大学で精密工学を専攻し卒後、日本製鋼所にて８年半にわたり石油精製所の脱硫塔の設計をするという異色の経歴を持つ。坂路接骨院初代院長である父の影響を受け、柔道整復師・診療放射線技師の資格を取得。父の医療、患者様への熱意と技術を受け継ぎ、坂路接骨院院長となる。「一人一人のニーズに応じた医療を行いたい」という思いを胸に人々が健康で幸せに暮らせる医療を目指し日々邁進している。
